に投稿 コメントを残す

『22世紀型社会に向って -日本がそのモデルになって行く-』(27回目)

2.色々な分野で起こるであろう変化

9)健康(医療・薬事)のこれから(その1)

 前回の「宗教のこれから」に続いて今回は「健康(医療・薬事)のこれから」について考えてみたいと思います。

 私達は生まれて来た以上頑張って生きようとするのは当然であり、少しでも長く生きようと努力するところから、経験的に掴んだノウハウを共有し、そうしたノウハウを専門とする職業も生まれて来たのだと思います。各種症状を改善するのに適した技術の蓄積が医学・医療活動になり、各種症状を改善するのに適したものを自然界から抽出するノウハウが薬学に発展して行ったのだと思います。

 医学を大別すれば西洋医学と東洋医学に分けられると思いますが、東洋医学の方は東洋に限らず伝統医療を指しているように感じます。簡単に特徴を言えば、西洋医学の方は病気を対象として、診断で患者さんの病名を特定して、その後は色々ある処方箋に従って、ふさわしい処置をして病気を治す、こんな感じでしょうか。これに対して東洋医学の方は、病人を対象にして病気の状態を総合的に捉えて、患者さんを健康な状態にする、こんなイメージでしょうか。それぞれメリット・デメリットはあると思いますが、日本では医師免許の取得が西洋医学の習得をベースにされているため、一般に病気になれば、医者に掛かり、そこで行われているのは西洋医学で、これによって病気を治す、これが医療行為と考えられていると思います。それは間違いではありませんが、西洋医学は私がこの小論で述べて来た物質サイエンスをそのパラダイムとしているために、これからの時代を考えると、それだけでは対応しきれない病がたくさん出て来てしまうように思います。既にそうなっていると言っていいでしょう。比較すれば、東洋医学、伝統医療の方にこれからの時代のパラダイムであるクォンタムサイエンスを踏まえている要素を多く感じます。西洋医学でもホリスティックな医療が唱えられ始めていますが、この点東洋医学は初めからホリスティックな捉え方をしている気がします。

 さて、日本の医療費は年間約44兆円、一人当たりでは年間35万円くらいになるようです。44兆円はアメリカについで世界第2位、このうち薬剤費が10兆円くらいでしょうか。コロナワクチンなどを加えると、実態がどう成っているのか見当がつきません。たくさん薬を服用されている方、多いですよね。病院に行くと長い間待たされて、簡単な診察を受けて、たくさん薬を処方されて終わり、なんていう経験はないでしょうか。そして、言われた通り有難がって薬を飲みませんか。医者に行かなくても、どこか具合の悪いところがあれば先ず薬、これが常識的になっていないでしょうか。

 私はほとんど医者には掛からず原則薬も服用しないので、確定申告でも医療費ゼロが通常です。2,3年に1回歯医者さんで歯石を取ってもらったり、耳鼻科で耳垢を取ってもらったりする程度でしょうか。60代後半ですが、お蔭様で健康に過ごしております。風邪を引いても薬を飲まずに治すようになったのは随分前ですが、それより前は当り前のように風邪薬を服用していました。会社員時代は風邪を引いたからと言って仕事を休むことは先ずなかったですが、薬を飲めば症状が直ぐに軽減し、治るのも早かったことを覚えています。薬を飲まずに風邪を治し始めた頃は、辛い症状が続き回復に時間が掛かったものです。しかしこれを続けていると、いつの間にかめったに風邪を引かなくなりました。簡単に言えば薬を飲まないことで自分の自然免疫力が上がったのだと思いますが、こうした点もホリスティックに考える必要性を感じます。

 過剰投薬という言葉がありますが、自分の親の経験からも「こんなに薬飲んでるの?」と感じたことがあります。同時に服用しても問題ないというガイドラインがあるにしても、薬の組み合わせの全てのケースを臨床試験していることはあり得ませんし、人の体質やライフスタイルは千差万別です。投薬は慎重であるべきなのに、医療に於いて薬が大量に投与されがちなのは、保健医療制度を用いた、医者、製薬会社、薬局の金儲け主義に加えて、薬は効くもの、薬はいいものという想い込みが私達の方にあるように思います。本当にそれでいいのでしょうか。

 医療の効果に対する臨床試験の指数に、NNTとNNHがあります。薬を例にして言えば、NNTとはnumber needed to treatで、「効果のある服用者1人を得るのに何人に服用させる必要があるか」を示した指数になります。NNTが2だと、2人にその薬を服用させると、1人に効果が現れるという意味です。数が1に近いほど多くの人に効果が期待で来るのですが、そうではない薬もたくさんあるのが実情です。にもかかわらず、私達は、薬はみんなに効くものだと思い込んで飲んでいますよね。この思い込みを変える必要があります。もうひとつのNNHとはnumber needed to harmで、「何人が服用すると1人に副作用が現れるか」を示した指数です。NNHが2なら、その薬を2人が飲んだら、その内1人には副作用が現れるということを表します。そしてこうした薬はざらにあります。多くの人は、薬は病気・症状に効くものと思って、お医者さんにお礼を言ってお金を払い、処方箋薬局でお礼を言ってお金を払って薬を受け取り、当然のこととして服用していると思いますが、効果が出ずに副作用だけもらっちゃうというケースも珍しくないのです。薬とはそういうものです。

 更に薬の効果をややこしくするものがあります。プラシーボ効果(偽薬効果)と呼ばれます。名のあるお医者さんに、「これは極最近開発されたばかりの、大変効果のある薬です。」などと言われて、実際には味付きのうどん粉を渡されて飲んだとしても、効果が現れてしまうというケースです。プラシーボ効果は結構高い確率で発生すると思うのですが、お医者さんと患者さんとの人間的関係やその時の状況など、色々なファクターが関係すると思われ、今の科学水準ではそのメカニズムは解明できないでしょう。しかし、私はこれからクォンタム領域のサイエンスが進展して行けば、こうした反応のメカニズムもだんだん明らかになって行くと思うのです。量子もつれのような現象がどのようなところに影響を及ぼしているのか徐々に解明されるにつけ、今まで分からなかったことが納得できるように成って行くと同時に、今まで問題として扱われなかったことが予想外なところに大変な害を与えていた、などということも出てくるのではないかと思います。

 以上、専門ではない人間が好き勝手に書いて来ましたので、専門家からは「勝手なことを言うな!」と叱責されるかも知れません。長くなってしまったので今回はこの辺にして、次回また「健康(医療・薬事)のこれから」を続けたいと思います。

※『22世紀型社会に向って -日本がそのモデルになって行く-』は、週1回くらいのペースで書き足しています。バラバラした投稿になっていますが、初めから順番に読みたい方は、note のサイトを見ていただくと、頭から読める投稿にしてあります。

https://note.com/qeharmony_627/n/n1c014e6dbe0c

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です