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『22世紀型社会に向って -日本がそのモデルになって行く-』(26回目)

2.色々な分野で起こるであろう変化

8)宗教のこれから

 今回は「宗教のこれから」を考えたいと思います。「宗教」というと改めてその言葉の意味するところ、定義をきちんとしないと議論が嚙み合わないという経験をよくしてきました。ウィキペディアによれば「人間の力や自然の力を超えた存在への信仰を主体とする思想体系、観念体系であり、また、その体系にもとづく教義、行事、儀礼、施設、組織などをそなえた社会集団のことである。」となっています。一般的に「宗教」という言葉から受ける印象を、自分なりに簡単に示すと「集団組織型の信仰」になります。これに対して私は若い頃から宗教を「存在が自らの存在性を追求しながら存在して行くこと」のようにかなり広義に捉えていました。ここにいう存在とは、人間のみならず生物、非生物を問わず全ての存在になります。存在が存在しているだけで宗教でしょ!ということなんですけれども、誰もついて来てくれる人はいません。本論は先ずウィキペディアの説明のようなベースから始め、最終的には自分自身の宗教観に少し近づけて行けたらと思います。

 明治維新の廃仏毀釈、更に第2次世界大戦前の宗教団体法により国家神道の基に国民が統制されるなど、日本では長く天皇が万世一系の神に位置付けられていました。こうした日本の在り方を根絶するためにGHQがそれまでの宗教活動への規制をかなり撤廃し信教の自由が認められたことから、戦後の日本には雨後の筍のように多くの新興宗教が宗教法人の形で生まれました。その後の法改正で宗教法人化は当時ほど簡単ではなくなりましたが、宗教法人には税制の優遇措置が与えられています。宗教法人は、ビジネスに相当する事業収益以外には課税されません。広大な施設を持っていても、そこで本来の宗教活動をしているのであれば固定資産税も掛かりません。歴史的な文化遺産であれば分かりますが、怪しい新興宗教の巨大な敷地・建物が無税となると、ちょっと気色悪いですよね。

 新興宗教について、昨年の安倍総理大臣の銃撃殺害事件以降社会問題として取り上げられている旧統一教会がありますが、以前1990年代のオーム真理教の問題にしても、こうした宗教教団の組織は、巨大にして強固なヒエラルキー組織になっています。小さな宗教組織にしても、そこにはまず間違いなく教祖を頂点にしたヒエラルキー組織があります。しかしこれは新興宗教に限った話ではなく、伝統的な宗教に於いても同様です。伝統宗教の場合は、そこに多くの宗派が存在していて、教義やその解釈の違いから対立関係を生んでいる場合も珍しくありません。毎回同じ話になってしまいますが、このようなヒエラルキーや対立構造が生まれるのは、そうした組織を構成する人達が優越意識階層にいるからです。どんなに立派に見える宗教教団であっても、そこにヒエラルキー構造があって、他との対立関係などがあるならば、その頂点にいる人も含めて皆優越意識の人と言っていいです。

 こうした宗教教団の組織性と政治団体の組織性には共通項が多く感じられ、持ちつ持たれつの関係も多く見受けられます。だから宗教団体と政治団体は、組織の拡大、権力の集中、そしてお金、そうした優越目的意識から、ある程度Win-Winとなる妥協点を積み上げて行くいのでしょう。これから起こる時代の転換はこうした意識に変容を生じるもので、気づかぬうちボトムから進行して行くもののように感じています。

 ひとつの例ですが、最近スピリチュアルと呼ばれる世界に関わりを持ち始める人が増えています。その多くが女性というのが特徴ですが、主導的立場で組織化されている方々も多く見られます。そうした組織というか人の集まりの中に、宗教法人の形を作っていくところがほとんど見られません。宗教と呼んでもいい活動なのですが、株式会社組織にしていたり、一般社団法人になっていたり、個人事業の形で運営したり。メンバー制になっている組織もコミュニティという形を取っていたりします。千差万別の団体を十把一絡げにして論ずる訳にはいきませんが、大きな時代の変化の流れから見ると必然の流れのように思えます。こうしたスピリチュアルリーダーの方達から良く聞かれるのは、お金はひとつのエネルギーの現れで、循環させることが大切だというものです。前回の金融・経済のところで述べたところとかなりシンクロしています。

 スピリチュアルリーダーの皆さんは、高次元の宇宙存在からメッセージを受け取っている方が多いですね。時代を振り返ると、シャーマニズムやアニミズムの時代には、争いのない時があったと言われます。考古学的にそれを検証しているものもあります。実際そうした宗教性が残っている世界各地の先住民社会には、そうした傾向が感じられるところが多いです。これから進んで行く時代転換は星の位置関係の周期から、そうした波動環境が蘇る要素があるのでしょう。と言って当時の状況にそのまま戻る訳ではありませんから、これまでの時代の変遷を踏まえて新しい形ができてくるのだと思います。今のスピリチュアルの世界の広がり方を見ると、私達一人ひとりが皆それぞれ高次元の宇宙に繫がって行く流れが感じられます。そこから受け取るメッセージを一人ひとりが行動のベースにする中で、共通項の多い人達の間に自然に繋がり・ネットワークができている。内容により色々な人達とのネットワークが重層構造をなして行く。そんな社会構造になって行くことは組織論や政治のところでも述べました。

 宗教という視点で見れば、個人個人がそれぞれ高次の宇宙に繫がる新しいシャーマニズムと言っていいかも知れません。私達は顕在意識が発達したためにこの感覚が見えなくなってしまいましたが、これは人間以外の動植物、生き物でだけでなく全ての存在が、量子もつれのような原理で当たり前にやっていることだと思うのです。そもそも存在するということ自体が、そうした宗教性そのものだと思う次第です。全ての存在の自ら存在して行こうという姿勢が、そのまま宗教と言っていいと思うのですがいかがでしょうか。この捉え方がみんなに受け入れられれば、これから宗教団体というものは伝統宗教、新興宗教を問わず、消滅して行く流れになるでしょう。

※『22世紀型社会に向って -日本がそのモデルになって行く-』は、週1回くらいのペースで書き足しています。バラバラした投稿になっていますが、初めから順番に読みたい方は、note のサイトを見ていただくと、頭から読める投稿にしてあります。

https://note.com/qeharmony_627/n/n1c014e6dbe0c

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