『22世紀型社会に向って -日本がそのモデルになって行く-』(13回目)
2)時代の周期(その2)
さて、「風の時代」と「水瓶座の時代」ということで、「風の時代」について言えば「地の時代」から移行して間もないと言うことになります。その時代特性は以前にも示した図6のように語ることができます。所有→共有、モノ・お金→情報・体験、学歴・地位・肩書→能力・できること、ヒエラルキー→フラット、努力・根性→得意・やりたい、知識・記憶→感性・直観、他人軸→自分軸、見えるもの→見えないもの・・ 何となく伝わると思いますが、既にこうした変化を何某か感じている方も多いでしょう。「地の時代」は、やはり私が育った昭和の価値観のような側面が強いと思うのですが、これからは風のエレメントということで、軽く固定されずに流動する感覚が社会の至るところに現れてくるものと思います。そして、それは前章で説明してきたパラダイムシフト、意識変容にも結び付いていて、客観性重視→主観性重視について言えば、他人軸→自分軸のニュアンスに近いものになります。
水瓶座も風のエレメントですので、2,000年間という長いスパンで見ても、世の中の底流がこのような方向の時代になるということだと思います。「水瓶座の時代」は地球の歳差運動をベースにした時代変化になりますが、同じ歳差運動をベースにした時代周期説に800年説、1,600年説があります。歳差運動の周期25,772年を16等分すると1,611年になり、この約1,600年とその半分の800年が時代の周期の単位になるという説です。「文明周期800年説」を唱えているのは村山節さんですが、6,000年以上の人類史を均等に一直線上にプトッロした年表を作ったところ、800年毎に東洋の時代と西洋の時代が入れ替わっていることに気づいたと言うものです。図26に示した通りです。
同様の流れを歳差運動から読み解いているのが千賀一生さんの「ガイアの法則」になります。歳差運動一周の16分の1の約1,600年がひとつの文明のサイクルになるというもので、その1,600年間の前半の800年間が隆盛期、後半の800年間が衰退期になると言われています。そしてこの文明サイクルには、東回りの文明サイクルと西回りの文明サイクルがあって、ふたつのサイクルが800年ずれているために隆盛期だけ見ると、東回り文明と西回り文明が800年毎に入れ替わっていることになります。東回り周り文明を東洋の時代、西回り文明を西洋の時代とすると、村山先生の説に丁度符合します。そして千賀先生の「ガイアの法測」では、歳差運動一周の16分の1である1,600年毎の文明の中心地が、経度にして22.5度ずつ動いて行くのですが、この22.5度は1周360度の16分の1になります。そうした歳差運動に伴う文明推移の法則性を、歴史的検証を踏まえて説いています。東回りサイクルでは東に22.5度動き、西回りサイクルでは西に22.5度動いています。西暦1200年から2000年までの直近の800年間の隆盛期は西回り文明サイクル(西洋文明)で、その中心地は経度0度のロンドンでした。そして「ガイアの法則」に則れば、これからの800年は隆盛期が東回りの東洋の時代であり、その中心地は東経135度の日本の標準時、明石・淡路島の辺りになると予測されるのです。
これは、宇宙の星々と歳差運動による地球との位置関係から来る、地球のエネルギー分布の変化によるだと思います。長い歴史が実際にそう動いて来ている以上、私達の人為的な活動でどうこうなるという話ではないと思うのです。東西で言えばこれからどんどん東洋の時代の色彩が強くなって行くと思うのですが、西洋の時代と東洋の時代を比較すると、丁度図6の「地の時代」「風の時代」の違いがしっくりくるように感じます。これは、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教に代表される一神教の世界観と、インド思想や仏教に代表される輪廻転生をベースにした世界観との違いのようにも感じられます。好むと好まざるとにかかわらず、宇宙の運航による星の位置関係や地球の回転運動によるガイアの法則から、こうした流れになって行くと考えることを、非科学的と言ってしまえるでしょうか。今の学校教育では非科学的と言って相手にしないかも知れませんが、私には、それは物質サイエンスという古いパラダイムにしがみついている現代教育の限界に思えます。色々な方向からいま世の中で起きていることを多角的に捉えて、総合的に、統合的にこれからの時代に向った活動を進めて行くことが求められていると思います。なかなか一般の人達には通じない話になっていますが、懲りずにこの先も続けたいと思います。
※『22世紀型社会に向って -日本がそのモデルになって行く-』は、週1回くらいのペースで書き足しています。バラバラした投稿になっていますが、初めから順番に読みたい方は、note のサイトを見ていただくと、頭から読める投稿にしてあります。