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『22世紀型社会に向って -日本がそのモデルになって行く-』(11回目)

1.今 世の中で起きていること、進む方向

1)22世紀に向って変えて行くこと

【価値観の前提となる視点の変化】(その2)

 私達は普段ものごとを捉える時に、自分の方から捉えています。当たり前ですが少し広げて言えば、人間である私達は人間として捉えて世界はこうなんだと思い込んで生きています。更に拡大して、世界は私が見ている通り、これが世界なんだ、そう思うことに疑いを持ちません。それでいいんですげれど、それは主観的世界だという自覚を持つことが大切です。ほとんどの人が普段この自覚を持っていません。本当は主観的に世界を見ていることをベースにして、その上で人とコミュニケーション、意思疎通するための共有概念を作って行く、そうであるべきだと思います。

 多くの人達が存在する社会において、客観的と思える共通の軸が存在することによって、私達は他者との円滑な関係性を築き易くなります。だから現在の人間社会では、客観的と思える共通の軸があるのだと思い込むようにするための社会体制や教育体系ができ上っています。前回、法律のことを「客観性の取り決めの最たるもの」と表現しましたが、あくまでも取り決めとして客観性を作っている訳です。しかしこれは万人に通用する客観性ではありません。それが証拠には、政治の世界などを見ていても法解釈の争いが絶えない訳です。

 優越意識階層に人がいる限り、個人にせよ、グループにせよ、国にせよ、自分達を正当化する基準を作る努力を重ねることになります。そしてこの基準が通じ合わないもの達の間には争いが生まれます。実際に世界では正当性を主張し合う戦争が起きています。本当は主観でしかないものを客観と思い込んで、影響の及ぶ範囲を広げて行こうとする社会システムができ上っているからです。

 だから、それぞれがバラバラと作った本当は客観的とは言えない客観的基準を、全て冷静に包括的に俯瞰して見る姿勢が必要です。これが自立意識への変容のはじめの一歩です。そしてこれができた時、みんながお互いの主観性を認め合える世界が生まれるのです。

 「世界とは、外にある原型を自分が捉えて自分の中に描いているもの」、それをどこまで深く納得できるか・・ それがその人の存在性を示すレベル感になります。この視点を多くの人に浸透させるには、現代の教育を相当見直す必要があります。それを進めるリーダーが現れて教育改革が段階的に進むとして、社会全体に自立意識が浸透するには2~3世代入れ替わるくらいの時間が必要でしょう。こうした社会の実現が22世紀になると言っている所以です。例えば、不登校の子供が増えることなどが起こるべくして起きている状況に問題意識を持って、新しいタイプの教育活動を始められている方々は確実に増えているようです。でも、こうした動きが教育制度という形になるまでには、まだまだ時間が掛かると思うのです。

 その間、既に大人と言える年齢になっている人達は、意識を自立させるために何事よらず俯瞰してみる視点を持つ努力をして行く・・ そこから始めることはできないでしょうか。その時私達は判断の基準をどこに求めたらいいでしょうか。次元を超えた宇宙に求めるのはどうでしょうか。私達から世界や宇宙を見るのではなく、宇宙から見たら私達はどんなふうに見えるのか? あるいはクォンタムから見たら、「超ひも」から見たら私達はどのように見えるのか? そんなふうに想いを廻らす。そんな時間を持つことも、時にはあってもよいのではないでしょうか。

 大分話が飛躍して、書いている本人にも分かり難い文章になってしまいました。今回はこの辺にいたします。

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