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『22世紀型社会に向って -日本がそのモデルになって行く-』(2回目)

1.今世の中で起きていること、進む方向

1)22世紀ってどんな世の中? (その1)

成田悠輔さんの「22世紀の民主主義」を読みました。大変刺激的な本でした。確かに化石のように古くなっている選挙制度にのみ参政権が認められているような現在の民主主義は末期症状を呈しているいと言ってもよく、それが同じく危機に瀕している資本主義を巧妙に操っている人達によって利用されているようにも思えます。それに対して、アルゴリズムの手法で潜在的な民意を探り、それによって細部に渡る政策課題の抽出、その時点で望まれるように政策意思決定をして行くという構想は、今の世の中の進展スピードを考えると、夢物語とは思えない実感がありました。

ただ、22世紀の世の中の在りようを予測する論述という見方をした時に、同様に22世紀のタイムラインを描いてみようとする私とは、捉え方のベースが随分異なるものだとも感じました。歴史的な流れの中で、基本的な社会構造が流れの中の変化に沿って進む範囲で、新たに生まれてくるテクノロジーを用いて改革を進めて行くけれど、人間そのものの変化という視点を積極的に捉えない社会科学的な範疇で、成田さんは22世紀を捉えているように思えます。私にはそう思えたという感想です。

それに対して私の描く22世紀では、先ず私達人類の意識が変化していることが前提として求められます。この意識の変化は変容であり、成長や進化という言葉を使ってもいい変化になります。敢えて言えば、22世紀を描く視点がどちらかと言うと人文科学・自然科学的なアプローチになると言えるでしょうか。そして、その人間の意識の変化変容は、何千年に一度起きるかどうかという変化で、それによって起こる社会変化は、ある種の不連続感を伴うもののように思えるのです。それが、既に一部の人達には起き始めている・・

この22世紀型社会の前提として必要になってくるのは、意識の変容に加えて、パラダイムのシフトと、価値観の前提になる視点・捉え方の変化です。パラダイムは物質サイエンス、物質科学信仰から量子論をベースにするクォンタムサイエンスに、意識は優越意識から自立意識に、価値観の前提になる視点・捉え方は客観性重視から主観性重視に変化して行く、そんな大きな時代の転換が22世紀に向って進んで行くと思うのです。それぞれの変化変容は相補的であり、こうした変化が起こることが、私達地球人類が次の時代に進んで行く前提として求められると言ってもいいでしょう。

次回から、ひとつひとつその中身を見て行こうと思います。

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