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『22世紀型社会に向って -日本がそのモデルになって行く-』(29回目)

2.色々な分野で起こるであろう変化

9)健康(医療・薬事)のこれから(その3)

 健康(医療・薬事)の3回目になりますが、今回は「魂の健康」という視点で少し考えてみたいと思います。

 丁度厚生労働省が昨年の日本人の平均寿命を公表したところで、男性も女性も2年連続で前年を下回り、女性が87.09歳(前年は87.58歳)、男性が81.05歳(前年は81.47歳)となっており、相変わらず女性は世界第1位、男性は世界第4位の長寿国です。前年を下回ったことへの説明が「新型コロナで死亡した人が増加した影響が大きかったのではないか」となっていて、コロナ死を遥かに超える超過死亡の問題を無視しているところに、相変わらず何か真実を隠している疑いを持ってしまいます。それはそれとして日本は長寿国な訳ですが、健康寿命ということになるとどうなのでしょうか。健康寿命の定義の問題はありますが、女性は12年以上、男性で約9年、寿命と健康寿命に差があるようです。この大雑把に10年ほどの不健康に生きる期間をどう捉えればいいでしょうか。

 これまでも述べてきたように私達は、病気など健康でない状態から健康になるために医療や薬のお世話になります。そして健康になるという目的に加えて、もうひとつ長生きをするためという目的があるように思います。古くから不老長寿という言葉もありますが、歴史的にも私達は長生きを目指して来ました。これは「生きるために努力する」という生物の定義にも当てはまると言えます。今回考えてみたいのは、健康寿命と言えない状態で長生きする期間の意識の問題になります。

 私達には長生きをしたいという意識だけでなく、長生きをさせたいという意識も間違いなくあります。特に身内に対してこの意識は当り前に働きます。その結果、本人が自分の力で命を維持する力が無くなっても、各種医療技術を駆使して延命をはかることは当たり前に行われています。医療の側も法的に義務付けられている医療措置があり、これを行わずに本人の生命力だけに委ねることができないようです。家族の同意と延命、延命と救命、安楽死や尊厳死などひとつの正解はなく、様々なケースに線引きをするのも難しい世界でしょう。

 これからの時代を考えるに当たり、ここでは「魂」という視点で見てみたいと思います。本論では以前カルマ論なども持ち出しましたが、魂の生まれ変わりは当り前のことと受け止めています。臨死体験、退行性催眠、前世を記憶する子供達に関する科学的アプローチなどから死生学も進展していますので、こうしたことを否定しがちな古い物質サイエンスは早く改める必要があると思います。ここでは生まれ変わりは当り前としますが、その主体である魂とはどういうものなのかを論ずるのは難しく、一般に想像される個体人格を持った魂がそのまま生まれ変わりを繰り返すのかと言うと、そんなに単純なものでもないと思います。ただ、魂が私達の肉体の死では終わらずに、ずっと存在を続けるものだとすると(実際そうですが)、私達の肉体の死についての捉え方、肉体を延命させることへの考え方は随分変わってくると思います。肉体を持って生きることの意味、その目指すものも大きく変わるでしょう。

 肉体より遥かに長く存在するであろう魂視点に立った時、健康とは何なんでしょうか。その魂の成長を本来の存在の目的とした時、肉体の死とはどういう意味を持つのでしょうか。私の考えですが、肉体の死は魂に取ってその成長過程にあるひとつのライフイベントだと思うのです。成長へのライフイベントですから、悲しむものではなく謹んで受け入れるべき対象になるのではないでしょうか。残された身内なども悲しみに暮れるのではなく、感謝して積極的に送り出して上げる方がいいのではないでしょうか。

 このような魂視点に立った時、私達に取っての死とは、自分の力で肉体と魂を繋いで置くことができなくなった時点とするべきで、他者がこのタイミングに介入すべきではないと思います。言葉にすれば、自分の力で生きられるだけ生きて、それができなくなった時が死ぬ時だという事になります。この「自分の力」中には健康を維持する様々な活動に加えて、医療行為を受けることも含まれますが、本人の力を無視した他者による延命はすべきではないと思います。どんな生物も弱って死んでいくのは当り前です。この流れに乗らない延命は、もしかすると本人の魂を苦しめている、そんな気がして仕方ありません。寿命が延びることにいい面もあるかも知れませんが、それを目的化することは間違いではないでしょうか。一生懸命生きて、それができなくなった時に自然に死ぬ、それが健康な魂のあり方だと思います。

 さて、3回に渡って「健康(医療・薬事)のこれから」について述べてきましたが、日本ではこれからますます少子高齢化が進み、医療・医療費・医療保険などの問題が、大きくなって行くでしょう。私は自分の力で生きることを前提に、ほとんど医者にも掛からず、薬も飲まず、今のところ健康に過ごしていますが、これを皆様に強要することはできません。それでも、ほとんど自分の心身を自力でメンテナンスする努力もしないで直ぐに医者や薬のご厄介になっている方々が、その姿勢を少しでも変えてくれたら、医療の問題は大きく改善するのではないかと思います。

 次回は、ある意味本論の要とも言える「これからの教育」についてアプローチしてみたいと思います。

※『22世紀型社会に向って -日本がそのモデルになって行く-』は、週1回くらいのペースで書き足しています。バラバラした投稿になっていますが、初めから順番に読みたい方は、note のサイトを見ていただくと、頭から読める投稿にしてあります。

https://note.com/qeharmony_627/n/n1c014e6dbe0c

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